大原

 大原三千院の紅葉は、まさに太平記のフレーズ「紅葉の錦、着て帰る」でした。

 大原というところは好きな場所です。京都の山の中の静かな場所ですが、本当に京都らしい場所がここに残っていると思えます。大原といえば「京都〜♪大原三千院〜恋に破れた女が一人〜♪」とデューク・エイセスが歌っているのはご存知の方も多いと思います。

 また大原といえば、寂光院というお寺があります。このお寺は「平家物語」のラストシーンの「大原御幸」の舞台ともなっております。「大原御幸」、そして「平家物語」、これについては、また改めてきちんと書きたいと思います。「平家物語」って、すさまじく、いい話です。

平家物語」は仏教文学だと言われますが、この物語全体に流れるのは仏教の説く「無常感」です。まさに諸行無常

 仏教では「人は何故苦しむのか」ということを常に考えております。なんで苦しむんでしょうね。それは苦しみたいから苦しんでいるんでしょう。困ったもんですね。
 私は特定の宗教を信仰してはいないのですが、思想としての仏教に非常に興味があります。時間が出来たら、もっと仏教について学びたいという気持ちが日に日に強くなっております。

 「人はなぜ苦しむのか」
 苦しまなくていいことで苦しんでいる時があります。自分で自分を追い詰めてしまったり。しかし私は、もう、そういう苦行のような人生を送りたくはないのです。
 どうしたら、苦しまずに生きていけるか。まず、それを第一に考えていたい。

 世の中にはマイナスの波動を出す人やモノが溢れています。若い子が、あんなに簡単に自殺するのは、世の中に「生きていたって、何もいいことないよ。」というマイナスの波動を出すものが溢れているので、心が弱くなってしまった時に、そっちの世界に引きずられてしまうからではないのでしょうか。
 辛いことや哀しいことに遭遇するのなんて当たり前の話です。絶望なんて、しょっちゅうします。生きているのが嫌になるのなんて、本当にしょっちゅう。それは皆、そうなんじゃないでしょうか。正常な神経を持っている人間ならば、誰でも。
 友人が「世の中には強い人なんていない。居るとすればそれは、鈍い人だ」と名言を吐きましたが、まさにその通りだと思います。
 

 弱い人間が、どうすれば苦しまずに生きていけるか。いや、苦しまずに生きていくのは無理だ。だからその苦しみを、どうするか、です。

 さて、どうするか。

 とりあえず、私は仕事仕事で自分が思うより疲れているようなのです。しかも慣れない状況に居るので。
 今とにかくしたいことは、本が読みたい、映画が見たい、旅行がしたい。心の栄養が欲しい。書きたいことだって、たくさんあるのに、行きたい場所だって、たくさんあるのに。

 しかしこんな状況もあとちょっと。紅葉の盛りが終われば生活も落ち着くと思う。
 しかし追い詰められていいこともあるのです。本当に自分の望むものが見えてくる。切羽詰んないと、わかんないこともある。

 世の中には、まだまだ楽しいことはたくさんあるんだから、ここで死んでたまるかってんだよ。クソみてぇな、マイナス波動だしまくりの腐った世界を、生きのびて笑って踏み潰してやれ。

 これから出会える、全ての快楽の為に、生きのびろ。