届けたい京都がある

なんとか観光シーズンも落ち着いて一息ということですが、全然更新してないので、京都のお気に入りの老舗(以前書いたのとダブるんですが)いろいろ紹介しときます。


 本田味噌の一わん味噌汁http://www.honda-miso.co.jp/order/order2.html
 これは一人分の味噌とダシと具が最中の中に入っていて熱湯をかけて食べる要するにインスタント味噌汁なんですよ。お手軽だから私はいつも常備しています。
 この本田味噌さんというお店は江戸時代から続く所謂「京都の老舗」の味噌屋さんです。こちらのお店が「美味しいお味噌を手軽に味わって貰おう」と考案されたのがこの一碗味噌汁なんでございますよ。「老舗」だけど値段も全然高価じゃない。金運の無さと男運の無さだけは自慢できる私が常備してるくらいやからね!(自分で言ってて哀しくなります)


 
 「自分達の作る良いモノを手軽に味わっていただくために。」
 この姿勢が好きなんですよ。「京都の老舗」って、だけで、ちょっと引いちゃうとこありません?貧乏性の私だけ?「京都の老舗の味噌」を、一袋いきなり買うのは躊躇するけど、この一碗味噌汁なら普段料理する習慣の無い人でもお手軽に味わえる。
 これは、このお店が「届けよう」と、しているからです。永きに渡って作り続けてきた自信のあるモノを、できるだけ多くの人に届けようとしている姿勢ですよね。現実問題、そうしないと生き残っていけないと思うんです、今の世の中では。
 うちらは老舗どすので、お客さんを選びますという姿勢では生き残っていけないし、質の良いモノを作っているのだから、宣伝しなくても客が来るとかいう考えは傲慢だと思う。それが良いモノがどうかは客が決めるモノなんだから。良いものだからこそ作り手に敬意を払う。それが作り手と客の正しい関係だと思う。


 だって、知らないもの。いくら良いモノを作っていようが、マニアックにその世界の情報を集めている人しか知らなくて、その人達にだけ要求されて褒められてるのって、すげぇー世界が狭いし広がりが無いし作る側として面白くないことやと思うのです。それで満足ですと言われれば、それまでなのですが。

 でも「良いモノ」を作ったからこそ、自信があるからこそ、いろんな人に味わって貰いたい、普段老舗の味噌を「絶対高価だろう」と敬遠する人達にこそ、味わって「美味しい」と言って貰いたいというのは、作る人間の全うで正しい欲望だと私は思うのです。
 それが「届ける」ことだと思う。

 京都ってところは、まあ、そら、いろんなことをやっていて、それを「商売上手」だとか「金儲けが上手い」とか、そういう良くないニュアンスで批評する人も少なくない。確かにそういう部分はあります。お寺の拝観料の高さとか駐車料金の高さとかアタマくるもん。高くてマズい店(観光客向けにね)も非常に多い。

 ただ「金儲けが上手い」とか「宣伝上手」とか、そういう捕らえ方も出来るけれども、「届けようとしている」部分もあると思うのです。
 「良いモノ」だから「自信のあるモノ」だから、いろんな人に届けたい。それには、どうすればいいかと手段を考える。それは、「宣伝」という言葉で片付けるのとはまた違う「作り手の。まっとうな欲望」が存在すると思うのです。

 いくつか紹介しておきますね。そういう例を。って、私が勝手にそう解釈してるだけなんですけどね。


京豆腐藤野http://www.kyotofu.co.jp/top.html

 ここの豆乳のケーキ類とかは激美味。これが豆乳??って思う濃厚さです。あと豆乳ドーナツとか豆乳ソフトクリーム。今は知らないけど、以前はバレンタインにピンクのハート型豆腐売り出してました。若い女の娘に豆腐ファンを確実に増やしていると思う。東京にも支店あり。



清水七味屋本舗http://www.shichimiya.co.jp/

 七味の風味が素晴らしいのは間違いないのですが(ここも老舗なんだけどお値段が非常にお手ごろなのですね)七味入りのチーズとか、七味屋ベビースターラーメンとか、七味屋ポテトチップスとか出てる。HPでいろんなレシピ載ってて参考になります。



京漬物 西利http://www.nishiri.co.jp/

 いろんな漬物があるのですが、ここの西本願寺前の本店では団体客なら漬物の試食にワインと用意してくれるのです。無料ですよ。団体客のみだと思うけれども。ワインと共に味わって「京都の漬物」の幅の広さと深みを味わって頂きたいとのことです。


 食べ物以外では今、古い着物の生地を利用してアクセサリーなどもあちこちで売ってるのですが、和ちりめんを使ったアクセサリーとか小物など、とにかくちりめん尽くしのこんな店があります。


ちりめん細工館http://www.chirimenzaikukan.com/

 すげぇー可愛いんですよ。ちりめんって、こんなに魅力的な素材だったのかと再発見。今ならクリスマスグッズ売ってます。ちりめん細工の。


 お寺に行って目に付くのが「お寺グッズ」。その寺のオリジナル香とか、仏像とかのクリアファイルとかストラップとか。三十三間堂の「風神雷神」グッズなんて、めっちゃカッコよかったです。あと、比叡山の元三大師の護符もhttp://www.to-ku.co.jp/_osanpo/ganzandaishiとか、、好き、、、なんかこのキャラが凄く好きなの、一目惚れ。部屋に貼らねば。


 それとシーズンオフの企画として今現在、嵐山花灯路なんてのもやってます。http://www.hanatouro.jp/
 3月には東山でやるみたい。夏は高台寺http://www.kodaiji.com/で夜間クラッシックのミニコンサートやってて、(拝観料のみです)ライトアップされたお庭を見ながら生演奏を聴くのは良かったですよ。高台寺は、いろんな企画をやるのでHPはマメにチェックします。


 こういう「届けようとする」ことを、宣伝とか金儲けって捉えると(確かにそうなんだけど、でも大切なことなのは間違いない)いやらしく聞こえる時もあるんですが、問題は「下品」にならないように「届けようとする」ことだと思うんですね。要するにホンマに品性の問題だと思う。あくまで「良さ」を失わず、媚びず、へつらわず、いろんな人に届けようとすること。媚びず良さを失わず誇りを持ったまま、それが出来るかどうか、それが「品性」だと思うのです。

 
 つまりは馬鹿高い値段を、ここぞと言うばかりに付けるのは「下品」だと思う。安くすればいいというものじゃないけど、誰にでも手の届く範囲で良いモノを届けること。


 それは、どんな商売でも一緒じゃないかしらねぇと思うのでありました。